1 魔術師
中央に立っている魔術師が、ワンド(棒、杖)を持った右手を高く掲げています。
彼の前にあるテーブルの上には、四大元素(火、風、水、地)を表す、ワンド(棒、
杖)、ソード(剣)、カップ(杯)、ディスク(コイン)が置かれています。
ここで、一つの疑問。彼は、既にワンドを手にしているのに、なぜ、テーブルの
上にもワンドがあるのか。
テーブル上の四大元素は、この世界を作り出す元。つまり、彼も、それらから
生まれた存在です。
けれど、そこから創られた彼は、「私」という意識を持ちました。「自分は独立
した存在だ」という認識。そして、まだ、彼以外の存在が現れていないため、彼は、
その世界で唯一の存在であり、絶対的な存在でもあります。
彼は、そこで、自分なりの何かを創り出そうとしているのではないでしょうか。
自分のエネルギーを使って、自分の世界を創ろうとしている。その象徴として
四大元素とは、別の形のワンドが描かれているのではないでしょうか。
ちょっとそれを逆に見てみると、彼は、元の世界から切り離された存在、とも
言えます。実際は、彼自身、元の世界、四大元素から創られているので、2つは
同じものなのですが、「私」という意識が、元の世界から彼自身を切り離している
のです。
彼が手にしているワンドは、白。彼が直感などを受け取ろうとしていることを
表しているそうです。本当は、受け取るということをしなくても、必要なものを必要
なだけ使うことができるはずなのですが、切り離されているが故に、そうしなければ
ならないとも言えるような気がします。
このカードは、表現することとも関わっています。
彼は、四大元素の全てを使って、どんなことでもできるのです。彼が世界で行う
こと全てが彼の表現。それには、いいも悪いもなく、ただそうであるだけなのです。
彼は、これから、どんな世界を作っていくのでしょうか。彼は、この世界の創造主
でもあります。彼が受け取るもの、そこから表現されるものがこの世界を作って
いくのです。
これは、私たち全てに言えることです。一人一人がその世界の創造主。どんな
世界を創るかは、その人次第なのです。
まだ自分しかいない世界で、その全てを使って、自分自身を築き上げていく、
とも言えるかもしれません。
「1」。何もなかった所(0)から、点が生じます。たった一つの点。故にそれは、
絶対的な存在です。
「1」は、男性的なエネルギーです。能動的、論理的、表現すること、そして、
自立。「1」のカードに、男性(マジシャン)が一人、直立している。手にしている
ものも、まっすぐな棒。さらに、男性性を表す右手(というか右側)にそれを
持っています。その存在全てで、「1」という数を表しているかのようですよね。
ところで、「1」の漢数字は「一」。漢字にすると、どうして、「1」は、横に
なってしまうのでしょうか。
理由は分かりませんが、その形からは、地上を滑るように移動する姿を想像
します。あるのは、「存在」そのもの。その上に積み重なるものが、人を作っていく
のかもしれません。
そして、「1」と「一」を重ね合わせると「十」になります。時間と空間に縛られた
私たち人間の象徴が隠されているかのようです。
(-.・)v〜 ぴゅるぴゅる 〜v(・.-)
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私 私 って言う割には
みんな 自分のことをよく知らない
私 しかいないから
比べるものがないから
だから 自分のことって案外分からない
私 なりに
私 らしく
そうするには 実は
私 からの解放が必要なのかもしれないね