13 死

  黒い鎧をまとい、旗を持ったガイコツの騎士が白い馬に乗っています。
 馬の正面には、法王らしき人物が手を合わせており、その足元に膝をついて
 いる女性と騎士を見上げる子供。2人の頭には花冠が見えます。そして、
 馬の下には、男性が倒れています。

  このカードを見ていると、「死」の象徴であるガイコツの騎士が一番
 偉そうな感じがします。凱旋した英雄のようにさえ見えます。

  私たちは、「死」と言うものには、恐怖心を抱くことが多い気がします。
 来てほしくないもの、避けられるものなら避けたいもの。誰にとっても、
 何かを失うということは、とても重大なことなのではないでしょうか?
  けれど、そんな時の私たちは、もしかすると、逆の意味でそれを英雄視
 している、特別なものとして神聖視しているのかもしれません。

  このカードは、一つの終わりを表わしています。
  しかし、終わりは何も、失うことだけではありません。そこから、また
 何か新しいものが始まる可能性を秘めています。
  ガイコツが掲げる旗には、生命力の象徴が描かれているそうです。この
 カードが再生の意味を含んでいる証だとも言えそうです。

  ところで、ここで終わるのはなんでしょうか。
  男性が倒れていることからも、それが私たちが今まで表現してきたもの、
 自分だと思っていたもの(我)、マインドとも言えそうです。
  法王が拝むのは、新しい、もしくは、今まで隠れていた本質の現れを
 そこに感じているからかもしれません。そんな法王自身も「自分」という
 ものを失っているように見えます。
  そして、その「死」によって、花冠をした女性と子供が表わす意識に、
 スポットがあたるのかもしれません。

  また、ガイコツが英雄のように描かれているのは、もしかすると、それ
 自身が本質を表わしているからなのかもしれません。
  今までかぶっていた仮面も、今まで他人や自分が「私」と認識していた
 表面的なものも、全て脱ぎ捨てた形がガイコツとして表わされているの
 ではないでしょうか?
  ただ、それはまだ、生まれ出ようとする寸前、もしくは、生まれたての
 デリケートさを持っているため、鎧兜で厳重に守っているのかもしれません。
  でも、同時に、騎士のような力強さを感じるものとして描かれている
 というのもおもしろいですよね。


  「13」。1+3=4。
  私たちは、この肉体とそれに宿るマインドを「私」と思っています。
  そのため、肉体の変化や思考の変化に対して、ひどく敏感になってしまい
 ます。それらが変わるということは、今までの自分が消えることでもある
 からです。

  けれど、常に変化しているものを止めようとするのは、無理なこと。
  3の創造性を変化ととらえるとすると、自分(1)も変わっていくもの
 なんだ、ということを知ることが必要なのかもしれません。
  変化を好まない頑なさ(4)が不安を生むのだとしたら、ここでもやはり
 軽やかさが鍵となるのかもしれませんね。

  そして、変化していく自分をただただ見つめる時、ゆったりとくつろいで
 いる「私」とその体に気付くかもしれません。
  


 (-.・)v〜 ぴゅるぴゅる 〜v(・.-)
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  なくなる という出来事は
  私たちをどん底に陥れる
  耐えがたい衝撃
  身を切られるような思い
  あったものが ない
  それは 受け入れられない現実
  けれど どれも避けることはできない
  避けようと思うから怖いのか
  避けられないから恐ろしいのか
  どちらにしても 失うことの恐怖は
  いつも私たちと共にある

  ということはー
  それと仲良くもなれる
  ってことなのかも?



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