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第141号

2019年1月9日

【編集あとがき】

 

第141号を無事発行することができました。

 

 以下、一読者としての感想を述べさせていただきました。

 

 浅田さんの論文=外国人労働者や難民の受け入れ、水道民営化についての大胆な法改変が、受け入れ準備や永住化対策、安易な調査など、充分な対応もないままに進められてしまっていることは、問題の先送り、飛ばし体質と同じだと思います。今の日本社会に見られる膨大な赤字国債の累積をはじめ、さまざまな分野に見られる傾向のように感じますし、そうした進行が国民の前で平然と行われてしまうことに確かに戦前の軍国主義の高まりと同じような違和感を覚えます。

 その点についてですが、今の政権は、首相を頂点とした官邸主導体制が強まりすぎ、官僚が萎縮し、官邸の意向に忖度しすぎ、本当の日本の将来を考慮した施策が滞ってしまっているような印象も受けます。その首相が率いる政党に議会の多数を付与している国民の意識に責任が問われても仕方のないところだと思います。なぜ、今の首相にこれだの支持が集まるのか理解できませんが、金融緩和とか、国の企業支援とか、株価の好調とか、そういった場当たり的施策の成功に満足してしまう国民性があるのかもしれません。社会の秩序や安定には、さまざまな側面があると思いますが、問題の本質をきちんと国民に明示した上で幅広い議論がなされることが、民主主義の基本だと思います。

 

 薗部さんの論文=人それぞれの人生のいろいろな段階で、どのような人やものに出会うかは、その人の人間観、価値観、人生観などに、深い影響をおよぼすことになると思います。その社会でどのような教育が行われ、どのような文化が普及しているかは、その社会の在り方に深い影響力をもつことになると思います。例えば、江戸時代の寺子屋で教えられたこと、浮世絵などに表現されたことなどが日本の伝統文化の在り方に強く影響したのだと思いますし、欧米社会におけるキリスト教の影響力は、かなりのものであったように感じます。それらは、その社会の権威によって規定されるのでしょうか。教育や一般化する教養などの内容は、どのように決められるのか、もっと問題意識をもつべき課題のように感じます。

 それから、音楽について言えば、私が社会人になったころ、ステレオカセットレコーダが登場しました。はじめての給料から思い切って、かなり高級な機種を購入し、FMラジオ放送から放送されていたクラシック音楽を片っ端からタイマー録音しました。60分のカセットテープが比較的安く買えましたので、かなり気楽に、いろいろな音楽をたのしむことができました。カザルス演奏のバッハの無伴奏チェロ組曲に出会えたのも、こうした科学技術の進歩の賜物だと感じます。今現在は、インターネットの検索機能など、日常生活でも手放せないものになっています。科学技術の進歩が、今後の社会における教育、教養に与える影響というのも計り知れないものがあるように感じてなりません。

 

以上 記 深瀬



「負けること勝つこと(97)」 浅田 和幸

「問われている絵画(132)-絵画への接近52-」 薗部 雄作

「これからの地球社会の運営理念」 深瀬 久敬

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編集発行:人間地球社会倶楽部

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