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第156号

2022年10月12日

【編集あとがき】

 

 浅田さんの論文=今の日本の社会は、非正規雇用者の増大や高齢化に伴い中間層が細り、若い人達はいつ職場を追われるのかとか任期付きの仕事しか与えられなかったりし、生活設計に不安がつきまとい、結婚して安定した家庭を築ける見通しもなく少子化に拍車をかけている感じがします。国家財政は赤字国債の積み重ねに終始し、健全化の見通しはほとんどたっていない感じです。

 悪循環のなかに思い切った手も打てず、ガラパゴスのような閉鎖社会のなかで、ゆでがえる状況に陥っているような印象をもちます。

 打破しなくてはいけないことはまず、集団主義との決別ではないかと思います。みんな同じようにして、他者の顔色をうかがいあうような雰囲気を変え、一人ひとりの自律性を尊重する社会に転換することが大切だと感じます。これは今の文科省の教育の在り方に問題があると感じます。少しずつは進んでいるようですが、前千代田区立麹町中学校長の工藤勇一氏のような人を文科省のトップに据えるようなことが必要な感じがします。集団主義、家族主義を標榜する旧統一教会とべったりであった自民党のような政党が政権を担っているようでは日本の将来は変わることはなく暗いのではないかと思います。

 

 薗部さんの論文=わたしは今回、人間の存在の意味や価値の探究について少し考えたのですが、絵画の制作活動は、描くもののなかに作者なりの意味や価値を求めているようにも感じます。風景などの写生では、目に見えるものに作者の解釈をいろいろ加えて制作するのだと思いますが、人間の内面にあるものを描こうとすると、その意味や価値は混沌としていてはっきりとはわからないと思います。内面的なものをかたちとして探究しようとすると、なにか規則や法則的なものを探そうとするのではないでしょうか。薗部さんの絵画には、そうした規則や法則的なものを求めながらも、拒絶にあっている立場の煩悶のようなものを感じたりもします。

 


「負けること勝つこと(112)」 浅田 和幸

「問われている絵画(147)-絵画への接近67-」 薗部 雄作

「近代民主主義社会における人間存在の意味や価値にどう向き合うか」 深瀬 久敬

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編集発行:人間地球社会倶楽部

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